先日、古い友人と久しぶりに会った。
東大を卒業して、弁護士になった非常に頭の良い優秀な男である。
日夜、顧客との打ち合わせや書類作成、裁判所への出廷などいろいろ忙しいらしい。
責任感が強い性格で、官僚を辞めてまで弁護士になった熱血漢だが最近この年になって大分考え方が変わってきたらしい。
世の中はやっぱり金だ!
彼曰く、若いうちは金なんかよりも自分の力で世の中のため、人のためになれれば金などどうでも良いと思っていたが結局「世の中はやっぱり金だ」ということが分かったとのこと。

長年、遺産相続や債務整理など民事関係を中心に金に纏わるさまざまな問題に直面した結果たどり着いた答えらしい。
第三者からみると些細なこととしか思えないが、親兄弟親類の間で揉めて、罵倒し合い、裏切り、あるときには骨肉の争いまで行き着くその先は、結局は金に関わる問題だ。

そして、最終的に全てのことがお金で解決されていく。
負けると分かっている裁判も金次第!?
我々の仕事に限らず弁護士家業もそうだが、顧客の依頼であれば勝てる見込みのない裁判の弁護も受けなければならない場合もある。
法律の専門家の立場から考えればどう見ても負けると分かっている争いでも「金は払うから納得するまで訴訟したい」という顧客のお願いがあれば、弁護士報酬を稼ぐという視点に立てばそれに従う。

弁護士や医者などはプライドの塊だと思うが、所詮は客商売。
負けると分かっている裁判を引き受けるのも経営者の判断である。
今更「弱きを助け、強きを挫くのが理想的弁護士像だ。」などと青臭い話をしても仕方ないのだろう。
腕の良い弁護士ほど一見さんお断り?
また、新規顧客の獲得などあまり興味がなさそうだったのは優秀な弁護士の証拠かもしれない。
素性の知れない新規の顧客よりも、紹介や口コミで少しずつ相手を増やしていくほうが筋が良いというのは頷ける話だ。
裁判になれば2-3年もの間争うこともざらのこと。
その間、素性の分かる相手(話が分かりお金を持っている顧客)ならよいがということらしい。
つまり、一見さんはお断りということだ。

だからあえてホームページなども用意していないし、腕がよければ必要もない話だろう。
新規顧客獲得に血眼になっている私などと比べて、誠にうらやましい限りである。
ただ、本当にお金のなく困っている人に対しては優しく、金は持っているが話の分からないやつからはたくさん頂くという思いは持っているようだ。
弁護士費用や報酬などあってないものなのだろう。
商売に貴賎はないというが、間違いなくあるなと改めて感じさせられたひとときだった。